こんにちは、うま吉です。
皆さんは職場の朝礼などで、1分間スピーチとかってする機会あります?
私の会社では、持ち回りでスピーチ当番が回ってくるんです。
そんなときに、人の心に刺さるとまでは行かなくても「いい話だったね」と言ってもらえるようなスピーチをしたくて、『「今を生きる」人の心に刺さる 世界の名スピーチ50選』という本を手に取って読んでみました。
この本で紹介されているのは、スティーブ・ジョブズ、イチロー、マドンナ、北野武、タモリ、ホセ・ムヒカなど著名人ばかり、しかもどのスピーチも心に響くものばかりでした。
私は個人的に「弔辞」に強い関心をもちました。満足のいく人生にするには、「どんな人生にしたいのか」というゴール、つまり人生の「終わり」を思い描くことが大切だと言われます。(7つの習慣より)
「弔辞」はまさにその人がどう生きたか、他人にどのような影響を与え、どう思われていたか?の答え合わせとも言えるからです。
私も、自分の葬式の時には、素敵な弔辞を読んでもらえるような生き方をしなくては、と思っています。
それでは、私の琴線に触れた名スピーチをいくつか紹介させていただきます。
スティーブ・ジョブズ/ハングリーであれ。愚か者であれ。
アップル創業者であるスティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード卒業式(2005年6月15日)での祝辞の中から、あまりにも有名になった一節です。
この祝辞の中でジョブズ氏は、3つの話をしています。
1.点と点をつなげる。
未来は誰にもわからないので、いずれ人生のどこかで点と点がつながって線になって実を結ぶと信じて、今やれることをやっていくしかない。
2.愛と敗北について
最悪のつらい出来事に見舞われても、信念を失わずに自分の愛する仕事を続けてこれたから成功することが出来た。
仕事を愛する。好きなことが見つからなければ、探し続けることが大切だということです。
3.死について
ジョブズ氏は毎朝、鏡に映る自分に「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていることをするだろうか」問いかけるそうです。
死を思い、信念を失わずに、日々をド真剣に生きることの大切さについて語った名スピーチです。
ちなみに、スピーチの最後に卒業生に送る言葉として語った「ハングリーであれ。愚か者であれ。」は、ジョブズ氏が若いころに読んだ『全地球カタログ』の最終版に背表紙の写真の下に描かれていた言葉を引用したものだそうです。
北野武/両陛下がご覧になった映画が、「アウトレイジ」ではないことを祈るばかりです。
天皇陛下即位30年を祝う祭典「感謝の集い」(2019年4月10日)での祝辞からの一節です。
ユーモアに富んでいるけど、天皇皇后両陛下に対する敬意や感謝も感じられる素晴らしい内容のスピーチです。
平成28年のお茶会で両陛下に、身体を気遣う言葉と映画を見ています、というお声を掛けていただいたエピソードを紹介し、
このとき、両陛下が私の映画のことや体のことまで知っていたのだと驚き、不思議な感動に包まれました。ただ、今考えてみれば、両陛下がご覧になった映画が、不届き者を2人も出した「アウトレイジ」ではないことを祈るばかりです。
出典:「今を生きる」人の心に刺さる 世界の名スピーチ50選
また、お土産で頂いた銀のケースに入っている金平糖は、今や我が家の家宝になっており、訪ねてきた友人に1粒800円で売っております。
このユーモア感覚がしびれますよね。
江頭2:50/何があってもあきらめるな。だって、お前らが追いかけてるのは夢なんだから。
2022年4月4日の代々木アニメーション学院の入学式にサプライズゲストとして登壇し、述べた祝辞の一節です。
トルコでは全裸、新宿で下半身を出して逮捕されたり、嫌いな芸人ランキングでは9年連続1位、抱かれたくない男ランキングも不動の1位だった江頭2:50さんですが、最近では好きなユーチューバーランキングで1位になったそうです。
何があってもあきらめるな、と言うことです。夢を追いかけていたら必ず壁にぶち当たります。うまくいかなくて悔しい思いをしたり、恥ずかしい思いをしたり、どうしていいかわからなくなったり。でも、それは当たり前です。だって、お前らが追いかけているのは夢なんだから。簡単に手に入らないから夢なんです。それに打ち勝ってつかむのが夢なんです。
出典:「今を生きる」人の心に刺さる 世界の名スピーチ50選
(中略)それでも、もし辛いこと、嫌なことがあったら俺を見ろ!そして笑え!悩むのがバカバカしくなるから。
スピーチの中でも江頭2:50さんは、どんな仕事も真剣にやっている。おしりから粉を出すのも普通だったら変態だが、真剣にやっているから誰かが笑ってくれると言っています。
「真剣にやるのはなんか恥ずかしい」なんて風潮がある中で、胸を熱くさせてくれる銘スピーチでした。
出典:YouTube/マイナビニュース
全文、動画で見ることが出来ます。感動するので聞いてみてください。
タモリ/私もあなたの数多くの作品のひとつです。
お笑いの世界を目指して、九州から上京してきたタモリさんに対して衣食住の世話をして、自身の番組にも出演させてくれたのが、『天才バカボン』などの名作ギャグマンガの作者、赤塚不二夫氏。
その赤塚不二夫氏が長年の闘病の末に72歳で逝去。告別式(2008年8月7日)でのタモリによる弔辞の一説です。
この弔辞がタモリさんにとって初めて読む弔辞だったのですが、赤塚不二夫氏とのエピソードや感謝の気持ちに満ち溢れた素晴らしい内容の弔辞です。
私が好きなのは、次の一節です。
赤塚先生は本当に優しい方です。シャイな方です。マージャンをするときも、相手の振り込みで上がると、相手が機嫌を悪くするのを恐れて、ツモでしかあがりませんでした。あなたがマージャンで勝っているところを見たことがありません。
出典:「今を生きる」人の心に刺さる 世界の名スピーチ50選
(中略)あなたは今、この会場のどこか片隅で、ちょっと高いところから、あぐらをかいて、ひじをつき、ニコニコと眺めていることでしょう。そして私に、「おまえもお笑いをやっているなら、弔辞で笑わしてみろ」と言ってるに違いありません。あなたにとって死もひとつのギャグなのかもしれません。私は人生で初めて読む弔辞があなたへのものとは、夢想だにしませんでした。
タモリさんは手にしている紙を何度も見ながら、時折涙声で弔辞を読んでいたのですが、実際にはその紙が全くの白紙だった、というのもすごい話だなと感動しました。
さいごに
この本を読んで、「スピーチは小手先のテクニックではなく、自分の本心から出てくる言葉を、いかに熱をもって伝えるか」が重要だということを学びました。
スピーチに対しての心構えを学べただけでなく、人生の岐路に立たされた時や、私生活や仕事で躓いたときに指針になったくれるような言葉が多く紹介されていますので、是非とも読んで欲しい一冊です。