こんにちは、うま吉です。
私はマンガを読むのが大好きです。
先日、今までに読んできたマンガの数を数えてみたのですが、3,000冊を超えたあたりで断念してしまいました。
(もっと読んでいるのですが、タイトルや巻数を思い出せなくなってしまいました…)
そんな私が今まで読んできたマンガの中で、「面白い」「役に立つ」と思えるマンガを中心に、おススメさせていただきます。
皆さんがこのブログを読んで、実際にマンガを手に取ってもらえたら幸いです。
初のマンガレビューは、寿司マンガの金字塔とも言える『将太の寿司』です。
グルメマンガと言えば、おなじみの寺沢大介先生!
「ミスター味っ子」に続いて書かれたグルメマンガです。
『将太の寿司』とは
これからおススメする『将太の寿司』ですが、描かれたのは1992~2000年の8年であり、コミックスは全部で44巻※のボリュームになる大作です。
※『将太の寿司』全27巻と、続編の『将太の寿司 ~全国大会編~』全17巻の合計です。
便宜上、前半の『将太の寿司』全27巻を第1期、後半の『将太の寿司 ~全国大会編~』全17巻を第2期と呼びます。
余談ですが、2013~15年に将太の息子たちが活躍する『将太の寿司2 -World Stage-』も連載されていました。第1期、2期が週刊少年マガジン掲載だったのに対して、『将太の寿司2 -World Stage-』はイブニングに掲載されていました。
概要
北海道の小樽から寿司職人を目指して上京した少年・関口将太が、東京都世田谷にある名店「鳳寿司」で修業しながら、トーナメント方式である「新人寿司職人コンクール」を勝ち進んでいくと言うストーリー。
コンクールでは、①「課題が出される」、②「食材を探しに行く」、③「調理」、④「審査」という流れで話が進み、1つの対決が数話にまたがります。
で、合間にコンクールと関係ない「日常回」が挟まるという、全体的に読みやすい構成になっています。
優勝!と、思ったら…
全国大会があることが発覚!話は「全国大会編」へと続きます。
『将太の寿司』の魅力
魅力①:キャラのクセがスゴイ
柏手の安(溝口安二郎)
個人的に一番好きなキャラ。
全日本握りずし協会会長であり、「新人寿司職人コンクール」の大会委員長。その舌は鋭敏を極めており、決勝戦で審査員を務める。
「本当に旨い」ものを食べたときには、思わず柏手を打つと言うクセの持ち主で、将太たちは柏手の出る出ないで一喜一憂するようになる。
ちなみに、「柏手の安とは…と、解説しているのが、鳳寿司の親方「鳳征五郎」。将太の師匠です。
料理人殺し(武藤鶴栄)
原則として、料理バトルマンガには作った料理を食べて評価を下すキャラが出てきます。
先述の柏手の安もそうですが、「新人寿司職人コンクール」の大会委員長という立場があるので、大会以外では出てくることはありません。
そこで、第二期の審査役的なキャラクターとして登場したのが、「料理人殺し(キラー)・武藤鶴栄(むとうつるえ)」です。自らの舌に絶対的な自信を持っている辛口料理評論家。
将太に対して異様ともいえる執念で無理難題をふっかけて、課題をこなせなければ、自らがグルメ評論をしている雑誌やTVで悪評を公開し鳳寿司を潰すと脅してきます。
しかし、それは将太を成長させようとしての愛情の裏返しであったことが、物語の後半で判明します(ネタバレ)。
大年寺三郎太(東北の竜)
武藤鶴栄をして、「東北の竜と噂に高い、あの伝説の寿司職人大年寺三郎太か!!!」と言わせる人物。
こう見えて年齢は26歳。若くしてすでにレジェンド。しかも「新人寿司職人コンクール」に出場してきます。(寿司職人として働いていた期間は短いからOKという理屈…)
寿司早握り対決の一コマ。あまりに早すぎて、腕が何本にも見える!
寿司職人としての腕もさることながら、驚くべきはその強靭な体。電車にひかれ死にかけているのに寿司勝負の場に現れるというタフさ!
どこをとっても、ハチャメチャな設定がタマらない名キャラ。
大年寺三郎太は『ミスター味っ子Ⅱ』にも出ています。『ミスター味っ子Ⅱ』についてもブログを書いていますので、よかったら読んでみてください。
その他、二つ名がイカしたキャラ達
魚の目利きにおいては右に出る者がいないという「百目の辰」。
マグロの天才「シビの兆二」。
全国大会編を語るうえで欠かせないのが、「笹寿司四包丁」
「包丁修羅」こと武市半平と、「包丁鬼」こと加藤以蔵に関しては、あっという間にやられてしまう咬ませ犬的要素に笑わせてもらいました。
極めつけは、「笹寿司四包丁」の紅一点(4人の集合写真の左下)の「謎の女」ですが、大年寺三郎太をホームから突き落とし、電車にはねさせたトンデモキャラですが、戦うことなく舞台を去りました。一体何だったんでしょうか…?(ネットの掲示板でも一時期波紋を呼びました)
と、クセの強いキャラぞろいの『将太の寿司』、読みたくなってきたんじゃないですか?w
魅力②:対戦相手にイヤな性格のやつが多い
ライバルは最初は嫌な奴だったが、主人公と戦って改心して良い奴になる、という「マンガあるある」ですよね。
『将太の寿司』では、料理人の風上にも置けないようなやつや、戦っても性根の治らないやつなど、クセの強いキャラが多いのです。
笹木剛志(ささきたけし)
大手寿司チェーン「笹寿司」の息子。 関口将太の同級生であり、宿敵でもある。 寿司屋の息子ではあるが職人ではなく経営陣として家業を手伝っている。
腐った牡蠣を無理やり食べさせています。
兎に角、将太に対する妨害が度を越えて酷く、人格に問題があるのが一目で分かるほど口が悪い。
佐治安人(さじあんと、さじやすと)
将太の勤務先「鳳寿司」で働いて五年目の兄弟子。新しく入ってきた将太のことが気に入らずなにかと突っかかってくる。
「鳳寿司」から1名という「新人寿司職人コンクール」の出場枠をかけ、将太と三番勝負を行い敗北、全国寿司修行に出る。
将太に負けてからは憑き物が落ちたように改心したのか、頼りがいのある先輩キャラに代わる。ベジータみたいなものか。
途中で名前の読み方が変わりますが、ファンの間では割と有名な話です。
全国修行中に、コケにしていた将太の父親と出会いその職人たる姿勢に感銘を受ける。
佐治が全国修行の旅の途中で、将太の父親「関口源治」と出会う「本当の職人」や、番外編「心の師」という話も個人的には好きです。(ともに18巻)
そして佐治は京都地方トーナメントで優勝し、将太とは「全国大会」で再び相まみえることになるのです。
東京大会には出れなかったので、他の地域から出るという方法をとったのです。
紺屋碧悟(こんやへきご)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している、高級寿司割烹「碧寿司(みどりずし)」の2代目店主兼寿司職人。
・対戦相手の冷蔵庫の電源を抜き食材を腐らせる。
・金にものを言わせ、市場で食材を買い占める。(これは笹寿司もよくやる手段です)
・手下を使い、対戦相手に暴力をふるいケガをさせる。
などと、裏工作の枚挙にいとまがない悪党キャラです。
そんな紺屋碧悟も将太との勝負に2度敗れ、性格が変わり腰が低くなったそうです。
以上、代表的な「性格に問題があるキャラ」を挙げてみましたが、まだまだ「性格に問題がある濃ゆいキャラ」はたくさんいますので、皆さんの目で確かめてみてください。
魅力③:泣ける話が多い
実はコレが私が『将太の寿司』にハマった一番大きな理由です。
将太は困ってる人を見過ごせず、自分の苦労や危険も顧みずに、お寿司を通じて人助けをします。
そのエピソードが泣けるものが多いんです!
数多くの泣ける話の中から、私が好きな話を紹介させていただきます。
玉子の思い出(『将太の寿司』4巻)
将太が鳳寿司で働き始めて一か月経ったころ、店に前田貴志(たかし)くんという少年と父親がやってきます。
貴志くんは母親を亡くしており、母親が入院時にかかった治療費で借金があり、家計も苦しい状況ですが、今日は貴志くんの誕生日ということで、鳳寿司に玉子焼きを食べに来たのです。
お金がないため、貴志くんのお寿司だけを注文し、自分は我慢する父親でしたが、先述の佐治安人の貧乏人を馬鹿にするような振る舞いと、周囲の客の冷ややかな目に耐えられず、お寿司を食べることなく、店を出てしまいます。
本当は、亡き母親の作った「ふうわりとやわらかい玉子焼き」が食べたいと言う貴志ですが、今となってはそのやわらかさの秘密がわかりません。
「玉子焼きを作ると手がかゆくなって困っていた」というヒントから、やわらかさの秘密は「山いも」であると、見事突き止めた将太。
亡き母親の味の再現に、泣いて喜ぶ貴志くん親子。感動のエピソードです。
貴志くんの父親はその後も何度も登場する名物キャラクター。将太に受けた恩を返すため、荒れた海に出たことも。
特別番外編 誘惑~Invitation(『将太の寿司』24巻)
将太の後輩である飛男(トビオ)は、入店当初は無気力で根性なしだったが、鳳寿司のメンバーたちの温かい指導で、まじめに働くようになっていた。
季節は夏になり、海に行きたがる飛男。
ある日、将太から生姜の皮むきの仕事を命じられ、「何でオレばっかりこんなくだらない仕事…!」と文句を言いながらも徹夜で皮むきを終える。
将太に対する不満を抱えたまま、数日後の店の定休日にリフレッシュと称し、海に連れて行ってもらえることに。
しかし、その定休日は本来は店の全員で新生姜を仕込んで「ガリ」を作る予定の日だった。
飛男の海に行きたいという気持ちを察した将太が、飛男がむき終わった生姜を三日間寝ないで漬け込んだおかげの休日だったのだ。
生姜は本来辛いだけだが、そんな生姜があることで寿司の味が引き立つ。どんな仕事にもそれが困る理由がある、と大政(藤田政二)に諭され、自分の仕事が店には必要だったと気づく飛男。
寿司屋に限らず、一見つまらないと思われる仕事でも、誰かにとって必要な仕事だから、目的意識をもってやりましょう。という教訓を含んだいいお話でした。
ここでは紹介しきれないほど、泣ける話の多い『将太の寿司』、是非皆様も読んでみて下さい。
おわりに
マンガのおすすめ文というのは初めて書いたので、皆さんに『将太の寿司』の面白さが伝わったかが不安ではありますが、いかがでしたでしょうか?
ここでは、紹介しきれなかったパンチの効いたキャラクターや、面白エピソード、料理のテクニック、おいしそうなお寿司がたくさんあります。文字量が多いわけではないので、サクサクと読み進められるとっつきやすいマンガです。
『将太の寿司』はAmazonのKindle Unlimitedなら全巻無料で読めるので、少しでも気になった方は是非とも読んでみてください。